【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「なんですって?」
一室にユミエーラの声が響いた。彼女は王都内のその辺にいる護衛から、アイリーンが戻ってきたという報告を受けていた。だが、それと同時にランスロットと思われる男性と戻ってきた挙句、夕食後に二人で出掛けたという報告まで。
「辺境伯の息子よね」
鋭い視線を向けて、ユミエーラは文官に問う。
「はい。どうやらプーランジェでは公爵家の御令嬢たちの婚約が続々と決まっているようです」
「なんですって? それで彼女の相手が辺境伯の息子であると?」
「いえ。アイリーン嬢の場合、あの宰相殿がいますから。むしろ、養子の弟に警戒すべきかと」
「じゃ、辺境伯の息子はなんなのよ」
「失礼いたします」
と入ってきたのは、別な文官。