【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「久しぶりね、リーン」

「お久しぶりです、エル。後でエルにもお土産をお渡ししますね」

 まだ学院の長期休暇中。それを利用して、二人はアデライードの自宅へと向かう。例の頼まれていた絵を見せるためだ。

「うー。私も見たいわ。でも、我慢よね」
 馬車の中でノエルは言う。

「では、エルにはこれを」
 そう言って手渡したのは、カーナたちに手渡した冊子。つまり月雲六巻のまとめ本、プーランジェ語版。
「ありがとう」
 ノエルは受け取ると、早速パラパラと開く。
「さすがに全部を辞書無しで読むのは、まだ無理ね。でも、リーンの絵があるし、原作も読んでいるからか、なんとなくわかるわ」
 ノエルの言葉にアイリーンはニコニコと笑っている。
 それから二人は休暇中に何をしていたか、という話で盛り上がった。周囲から見たらどうでもいい内容だけれど、二人にとっては重要。

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