【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「リーンちゃん」
 アデライードの声が響いた。その声はアイリーンのお腹の底にまで突き刺さる。

「あなた、アスカリッドの絵も勉強したわね」
 アデライードの目尻が下がった。多分、喜んでいるのだと思う。
「私ね、リーンちゃんのそういうところが好きよ」

「ありがとうございます」

「素敵な絵ばかりで迷ってしまうわね。エルちゃん、ちょっといらっしゃい」
 アデライードに呼ばれたノエルは、彼の隣に座る。
「どれがいいと思う?」

「え? 私が見てもいいの?」

「だって、リーンちゃんたらこんなに描いてきてくれて。最終的には編集の人と一緒に選ぶけれど」

「一巻と二巻よね?」

「そうよ」
 二人並んで座ると、親戚ということがよくわかる。

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