【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
 最後の言葉を息子にかける。イブライムはとにかく頷くことしかできなかった。それだけ母親の威力がすさまじいのだ。

「あの。ユミ様も月雲シリーズを?」

「そうよ。大好きに決まってるじゃない」

 ここにも同志がいた。

「ということで、これでイブとのお付き合いの障害が無くなったということでいいかしら?」

 あれ、そんな話だっけ? とアイリーンは思いながらも頷いた。

「よかったわね、イブ。そんなわけで邪魔者は消えます。どうぞ、告白の続きでもやってちょうだい」

 くるりとドレスを翻して背中を向けると、その背中越しに右手をひらひらと振って会場へと戻っていく。
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