【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
 やはり、今回もモントーヤ伯の屋敷に一泊する。もはやプーランジェとアスカリッドの中継地点となっている。ただ、ランスロットが仕事で不在だったのが、アイリーンにとってせめてもの救いだった。
 そういえば以前、ランスロットは何と言っていた? 婚約が決まっていなかったら、だ。婚約が決まっていなかったら、ランスロットとの婚約を考えなければならないのだ。
 ただ、イブライムと恋人同士になったけれど、婚約とは違う。ということは、学院を卒業するまでにイブライムと婚約をしなければ、ランスロットとのことを考えなければならないということになるのだろうか?
 頭の中が大渋滞し始めたので、ランスロットのことを考えるのはやめた。

 モントーヤ伯の屋敷から移動する自動車の中で、隣に座る父親が突然口を開いた。

「ええと、リーンはイブライム殿下とその恋人同士になった、ということでいいのかな?」

 向かいに座るモイラは、私は何も聞こえませんという無表情の仮面をかぶっている。

「え、あ。ま、はい。どうして、それを?」

 と聞くまでもなくわかるのだが、とりあえず聞いてみた。

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