【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「そういえば、リーン。月雲の芝居、見に行くよね?」

「ええ、もちろん」

 なんと月雲シリーズ、とうとう芝居化までされることとなった。いわゆる、2.5次元というやつ。公演は今年の暮れから新年にかけて。月雲で年越し、とか騒がれている始末。
 芝居化が決まったのも、アイリーンが描いた表紙絵や挿絵が好評で、甘美小説の中のランキング十位までに月雲シリーズが六冊もランクインしてしまったから。その人気に目をつけたお芝居の関係者が、原作者のアデライードに話を持ち掛けたらしい。
 作品をいろんな人に広めたいと思っているアデライードの返事はもちろんオッケー。そしてその芝居化の話を聞いたファンたちは、今か今かと公演日を待っている。

「リーンには関係者用のチケットとか、ないわけ?」

「うーん、よくわかりません。まだ先のことですから」

「でも、私の方でリーンの分のチケットも取るわね。同じ日の公演を見に行きたいじゃない?」

「はい。では、よろしくお願いします」

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