【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
 自動車はゴトゴトとリズミカルに進んでいく。
 王都に着くとすっかり日は落ちていた。アスカリッドでは自動車は王都のど真ん中を走ることはできない。外れの方に自動車を停め、そこから歩いて宿へと向かう。宿はそこから目と鼻の先。

 今日は宿に泊まり、明日、編入予定の学院の手続きを行う。その後、アイリーンとモイラは学院の寮へと向かうことになるが、父親はこのアスカリッドの王宮に顔を出して挨拶をしてくると言う。どうせ行くなら顔を出してこいと陛下に丸投げされたらしい。しかし、通訳はいなくてもいいのだろうか。父親はアスカリッドの言葉はなんとか読めるが、会話は不自由なはず。
 と、そんなことを思っていたら、案の定、父親から通訳を頼まれた。アイリーンもペラペラと話せるわけではないが、多分、父親が言いたいような定型的な挨拶くらいなら、なんとかなるだろう。


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