【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
 ノエルが左手を腰に当て、右手でピースを作り、アイリーンに言った。多分、イブライムもジョアキナも知っていたのだろう。知らなかったのは、アイリーンだけ。ちょっと悔しいような気もするが、先にノエルがジョアキナの腕に自分の腕をからめて楽しそうに歩き出したため、イブライムに差し出されたその手をとった。

「一緒とは、聞いていませんでした」

「オレと一緒は不満か?」

「そういうわけではありませんが」

「リーンを芝居に誘いたいってエルに言ったら、リーンが好きそうな芝居をやるっていうからチケットをお願いしていたんだよ」

「エルは私に。チケットを取っておくから、と言っていました。一緒に行こうって。まあ、嘘はついていませんが、騙されたような感じがするのはなぜでしょう」

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