【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
そして案の定、アイリーンの頭の中ではこの会長と会計のカップルが成立していた。美男美女とよくいうが、まさしく美男美女に見えるカップル。見えているのはアイリーンの脳内だけ。しかも美女役は会長。長い髪が絹のように光輝いている。
その妄想をぶち壊すかのようにノエルが口を開いた。
「アイリーンさん、もしお帰りになるなら寮までご一緒致します」
有りがたい申し出だった。しかし、アイリーンにはこの後予定がある。
「ノエル様。お誘いありがとうございます。しかし、この後、父と一緒に王宮に行かねばならないのです」
王女の誘いを断るのだから、嘘や誤魔化しはよくはないだろう、ということで正直に話をしてみた。
「王宮に?」とノエルは尋ねてくる。
「あ、はい。一応、父がプーランジェの宰相ですので」
「あぁ、なるほどね」
と左手の手のひらの上に右ひじをつきその右手で頬を撫でている生徒会長のフランシス。
「君たちがイブとジョアのお客様、というわけか」
動作の一つ一つが色っぽい。女性と間違われたことがありませんか、とアイリーンは聞きたいところだったが、こらえた。
イブというのはノエルの兄らしい。ジョアというのがそのお付き、つまり金魚のフン。
「つまり、プーランジェの宰相様のご息女ということですね」
赤髪のダンカンが勝手に納得しているが、何か企んでいるようにも見える。
「アイリーンさん、そろそろお時間です」
事務官がそう言ってくれたため助かった。
「アイリーンさん、ではまた後で。寮でお会いしましょう」
ノエルの微笑みは優しかった。生徒会長と赤髪の微笑みは、うさん臭かった。
その妄想をぶち壊すかのようにノエルが口を開いた。
「アイリーンさん、もしお帰りになるなら寮までご一緒致します」
有りがたい申し出だった。しかし、アイリーンにはこの後予定がある。
「ノエル様。お誘いありがとうございます。しかし、この後、父と一緒に王宮に行かねばならないのです」
王女の誘いを断るのだから、嘘や誤魔化しはよくはないだろう、ということで正直に話をしてみた。
「王宮に?」とノエルは尋ねてくる。
「あ、はい。一応、父がプーランジェの宰相ですので」
「あぁ、なるほどね」
と左手の手のひらの上に右ひじをつきその右手で頬を撫でている生徒会長のフランシス。
「君たちがイブとジョアのお客様、というわけか」
動作の一つ一つが色っぽい。女性と間違われたことがありませんか、とアイリーンは聞きたいところだったが、こらえた。
イブというのはノエルの兄らしい。ジョアというのがそのお付き、つまり金魚のフン。
「つまり、プーランジェの宰相様のご息女ということですね」
赤髪のダンカンが勝手に納得しているが、何か企んでいるようにも見える。
「アイリーンさん、そろそろお時間です」
事務官がそう言ってくれたため助かった。
「アイリーンさん、ではまた後で。寮でお会いしましょう」
ノエルの微笑みは優しかった。生徒会長と赤髪の微笑みは、うさん臭かった。