【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
 この国の学院の授業は、お昼の前に三授業、それからお昼の後に一から二授業で構成されている。前世の時に過ごしていた日本のように、午前中に五十分授業を四コマ分びっちりでもなく、授業と授業の合間の休憩も十分に考慮されている。

 お昼休憩。
 アイリーンとノエル、それからヘレンは一緒に昼食をとっていた。アイリーンとノエルは向かい合って座り、ノエルの隣にヘレン。ヘレンは同じクラス一の女子生徒で文芸部員だという。アイリーンが文芸部に興味を持っているということをノエルが彼女に伝えたところ、非常に喜んでくれた。

「あまり人気のある部活動ではないので、とても嬉しいです」
 とヘレンは言う。食後のデザートに手を出しているところ。

「こちらの言葉を勉強するために、こちらの本もいろいろ読みました。プーランジェと違って、ジャンルが豊富ですね」

「そうなんですね。私は恋愛が自由であるように、文学も自由であると思っていますので、そうやってこちらの文学に興味を持ってもらえることは、とても嬉しいです」
 ヘレンはにっこりと笑う。

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