【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「ノエルさんの前でこういうのもあれですけど。やっぱり、イブライム様は素敵ですよね」
 ノエルの顔が、どこが? と言っている。
「私たち、女子生徒の憧れなんです」
 ノエルの顔が、なんで? と言っている。ノエルの綺麗な顔が、ちょっと不細工になっている。
 なんとなくノエルとイブライムの仲が想像できた。でも、二人は同学年。双子?

「あの。失礼ですが。エルとイブライム様は双子?」

 ノエルの顔がもっと不細工になった。まるで稲にたかる害虫を見ているような表情。

「あんなのと血が繋がってるってだけでも嫌なのに、双子なんて有り得ないわ。向こうの方が、少し生まれたのが早いだけよ。母親が違うの」
 アイリーンは、しまった、という顔をする。が、ノエルは全然気にしていないらしい。
「ほら、この国は恋愛も自由だし。王族は一夫多妻が認められているから。あまり気にすることは無いわ。あれと母親が違って、良かったと思っているもの」
 多分、それはノエルの本心なのだろう。不細工な顔が美人に戻ったから。
 どこの国も王族とはめんどくさいところらしい。

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