【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「ところで、リーンにもご兄弟はいらっしゃるのかしら?」

「あ、はい。義理の弟が一人。父の弟の子です」

「もしかして、婚約者とか? そちらの国の方がまだ政略結婚が根強いですものね」

「いいえ。残念ながら、婚約者はいないのです」
 アイリーン的には残念でもないけれど。

「そうなの?」

「婚約者がいたら、こうやってこの国に留学はできないです」

「それもそうね」
 ノエルは楽しそうに納得していた。そして、デザートの山を崩すために、スプーンを入れた。

「ノエルさん。文芸部の新入生勧誘も考えなくてはいけないですよね」
 ヘレンが言う。

「そうね。どうしようかしら」

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