【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
 そして、二人は笑う。
 好きな本を読んで、こうやって言い合って、笑って。なんとなくやっていけそうな気がした。

「あの。授業が終わったら、ここに本を読みに来てもいいですか? 邪魔でしたら図書室の方に行きます」
 アイリーンが言う。

「遠慮する必要は無いわ。これから、部長たちが来ると思うから紹介するわね」

「できれば、アスカリッドの本をプーランジェ語に翻訳したいと思っていまして」
 アイリーンのその言葉に、二人は目を見開く。
「アスカリッドの本の方がこのようにジャンルが豊富で。それで、プーランジェにも広めたいと思っているのです」

「まあ」
 とヘレンはアイリーンの手をとった。
「嬉しいです、リーンさん」
 だからって、翻訳したいのは人殺しの本では無いのですが。

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