【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「ねえ、リーン。一つお願いがあるのだけれど」
 ソファから身を乗り出してノエルが口を開いた。
「できたら、甘美小説を翻訳してもらえないかしら? そうしたら、私、それでプーランジェ語を勉強できると思うの。さっきの私のプーランジェ語、酷かったでしょう?」
 苦笑を浮かべている。自覚はあったのか。

「でも、エルの気持ちは伝わりましたよ」

「ありがとう。そう言ってもらえるのは嬉しいんだけど。やっぱり、もう少しマシに話せるようにならないと、とは思っているの。一応、一応、王女だし」
 最後の言葉は消え入りそうに。

「きっと、好きなもので勉強すれば、私ももう少しプーランジェ語ができるようになるんじゃないかな、って思うのよ?」
 その気持ちはよくわかる。アイリーンだってアスカリッドの言葉を覚えたのは全て大好きなビーエルのおかげ。と、同志のモイラのおかげ。励ましてくれる同志がいたことも重要。

「わかりました。やってみます」

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