【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「そうなんだけど。でも、こんなに素晴らしいものを私が独り占めするのはどうなのかな、と思って。どうせなら、みんなに見てもらいたいし、できれば部活動見学で使いたいの」
 そこまで大絶賛してもらえるのは嬉しいけれど、せめて事前に相談して欲しい。
「ごめんね、リーン。でも、これ。見れば見るほど、私が一人で堪能するのはもったいないのよ。もっとたくさんの人に見てもらうべきだわ」
 ノエルからの称賛が止まらない。嬉しいけれど恥ずかしい。

「リーンさん。僕が見ても良いかな?」
 と一言断ってくれるのが、ルークなりの優しさだ。
 ここまできたら乗り掛かった舟。一緒に沈んでやろうと思う。
「はい。でも、私の趣味で書いてあるものなので、受け入れられなかったらそっと閉じてください」
「ははは、リーンさんは面白いね」
 そしてルークはノエルからノートを受け取る。ゆっくりとページをめくる。その脇から、サラが覗き込む。
「やだ、ちょっと、何これ。私の理想のロイドがここにいる」

「サラ、耳元で騒ぐのはやめてくれ」

「やめられない。ルークが見たって面白くないでしょう。私に見せなさい」

「面白いか面白くないかの判断は僕が決める。それよりも、これがわかりやすいということだけはわかる」
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