彷徨う私は闇夜の花に囚われて
顔を引きつらせる私に気づいたすみれちゃんは満足そうに笑顔を浮かべて、
「……ね?ヤバくない?これ絶対あの人のやつだって!こんな真っ黒なアカウントを持ってるんだよ?今すぐ別れるべきだってば!!」
やっぱり興奮気味に捲し立てた。
冷静じゃないすみれちゃんの様子に、私は思わずため息を漏らす。
すみれちゃんが言っていることはわかるし、最初に見たときはきっと私のことを心配してくれたんだと思う。
伝えにくい気持ちとは言え、サブのアカウントにひたすら誰かへの想いを吐き続けるって普通じゃないから。
でも、だからと言ってそんな、嬉しそうにしなくてもいいでしょ……?
私の幸せが一つなくなってしまうのがそんなに嬉しい……?
満面の笑みを浮かべるほどに……?
「美紅ちゃん、紅バラさんとは別れよう?ね?」
ぷちっと。
自分の中でなにかが切れる音がした。
……私たちの間にあった強い繋がりも、一緒に。