彷徨う私は闇夜の花に囚われて



「…………」

「ねぇ!なんで黙るの!?私のことが大好きだってあのときみたいに可愛く笑ってよ!!」


両方の肩に手を乗せられ、大きな圧がかけられる。


私の身体にすみれちゃんの細長い指が食い込んで地味に痛い。


目を見開いて私に迫るすみれちゃんの顔は、喉奥が狭まるくらいに怖くて。


「嫌だ……離してっ……!」


精一杯に押しやろうとするけども、非力な私の抵抗は虚しく。


身体にかけられる圧力が増しただけだった。


「こっちが嫌だよ!私から離れていかないで。……ううん、いっそ私だけを見て!!」

「い、痛っ……」

「幸せになりたいんだったら私が幸せにしてあげるから!ね?ずっと一緒にいよう?」


私を見ているようでいて、曇りに曇っている目の前の瞳。


自分の欲望しか見えていなくて、苦痛に歪む私の顔に気づかないどころか、私の声も届いていない。


「なんで、そんなっ……」

「なんで?本当に気づいてないの?昔からずっと大好きだって伝えてきたのに?美紅ちゃんこそ、私の気持ちを全然理解してくれないじゃん!!」


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