彷徨う私は闇夜の花に囚われて
「……気持ち?」
「そうだよ!ほとんど毎日一緒にいて、汚らわしい男どもから守って……それなのに、美紅ちゃんは振り向いてくれない!」
「なにを言って……」
「こんなに愛が溢れてどうしようもないのに!狂おしいほど愛してるのに!!美紅ちゃんは!少しも!わかってくれない!!」
がつんと、重たい鈍器で殴られたような衝撃が走った。
胸の内全部を曝け出すように降ってきた言葉を思い出して。
でも、すみれちゃんの感情についていけない私は呆気にとられることしかできなくて。
燃えるような熱が宿った瞳を、力なく見つめることしかできない。
「中学の頃、王子様みたいだって言ってくれたよね?あれ、すごく嬉しかったなぁ……。案外、私と付き合ってみたらときめくかもしれないよ?試してみる価値があると思わない?」
徐々に迫りくる顔は止まることを知らず、もう少しすれば唇と唇がくっついてしまいそう。