彷徨う私は闇夜の花に囚われて
寝落ち通話
「もしもし、聞こえてる?」
「はい、聞こえてます」
今日は週に一度と決めた、紅バラさんと通話をする日。
それでいて、付き合ってから3か月が経った記念日だ。
朝起きると、紅バラさんから簡潔なメッセージが届いていて……トーク画面を撮影した後、しっかりフォルダに保存した。
フォルダを見返すと、紅バラさんが送ってくれた応援のメッセージや愛の言葉がいっぱいで、いつでも幸せの海にどっぷりと浸れる。
見ているだけであっという間に時間が過ぎていってしまうくらいに。夢中に。
「ましろは一日なにしてたの?勉強?」
「勉強は朝に済ませて、午後はカフェに行って読書をしていました。紅バラさんはなにをしていたんですか?」
「俺はバイトに行ってたよ。最近は飲食店の裏方をやってるんだけど、暇なときはましろのことを考えてた……なんて言ったら、気持ち悪い?」
「全然そんなことないです!むしろ嬉しいです……」
紅バラさんは恐る恐る私の反応を伺う。