彷徨う私は闇夜の花に囚われて
【紅バラside】
……はぁ。昨日も今日も、すごく可愛かった。
いや、ましろはいつでもどんなときでも可愛いんだけども。
これまでの比じゃないくらいの可愛さだった。
『もうちょっとだけ……学校の、話……』
眠気に抗いながらも、俺との時間を少しでも長くしたいと頑張る様子は健気で。
『くばらさ、ん……もっと、しりたい』
舌っ足らずな喋り方と、ほんの少し甘えたさんになる性格。
攻撃力高めの装備で俺のことを知りたいだなんて。
……可愛いが過ぎる。
控えめに言って天使。
悶えているのを隠しきれずに、つい口に出してしまったのはかっこ悪かったかもしれない。
ましろによる幸せの供給過多でいつも瀕死状態になる俺。
むしろこのまま死んでしまっても悔いなくあの世へ行けそうだ。
死ぬ気も予定もないけど。
『私も幸せです。紅バラさん、大好き』
こんなことを言われたら死んでしまうわけにはいかない。
もっと幸せにしてあげたいとも強く思う。
昔、辛かった分、なおさら。