彷徨う私は闇夜の花に囚われて
俺が彼女を癒して。救って。
俺が彼女を支えて。
俺だけが彼女を愛せばいい。
他の奴らなんか本当は必要ないんだ。
ツバキって男も親友気取りの女も、全部邪魔。
ましろは俺のものになったんだから、空気を読んでさっさと離れればいいのに。
いっそ、ましろが俺だけに依存してしまえばいいとも思う。
あぁ、そうだ。今度の作戦はそれにしてみるか。
「―――愛してる」
彼女に想いを伝えても、届かないところで言葉に出してみても。
とめどなく溢れてくる愛は俺の中に留まり続け、中毒のように俺をおかしくさせる。
これも全部、ましろが魅力的すぎるせい。
あどけない、疑うことを知らない瞳も。
彼女の目標に対する姿勢と同じ、真っ直ぐに伸びる黒髪も。
声も、性格も。全部。全部。
ましろの存在自体が極上で、多くの人間を惹きつける。
誰の目にも晒さずに閉じ込めておきたいと何度思ったことか。
……あーあ。無性にましろに触れたくなってきた。
いつも見ているだけで陶器のような白肌には触れられないし……。
彼氏としてはビデオ通話なんかもしてみたい。
なんなら普通にデートもしたい。
でも、ましろには遠くに住んでるから簡単には会えないって伝えてある。
本当は会える距離に住んでいるのに、気軽に会えないのは俺に隠し事が多すぎるせいで。
「顔面全ての整形費用って、どのくらいかかるんだろう」
鏡に映る自分の顔を見て、深いため息をついた。