彷徨う私は闇夜の花に囚われて



◇ ◇ ◇


「今日はどこに寄り道しよっか?駅前にできたカフェにする?それともお気に入りのご飯屋さん?美紅ちゃんはどっちがいい?」


嬉々として私に選択を委ねるすみれちゃん。


12月に入って寒さがより一層厳しくなり、私たちは空気を白く染める。


寒すぎて喉の奥まで凍ってしまうんじゃないかと不安になるくらい。


こんなときはコンビニのおでんを買い、おでんが冷えないうちに家に帰ってこたつでもそもそと食べるのが一番。


こたつでみかんよりもこたつでおでん派の私。


今までそんな人に出会ったことはないけれど。


「あったかいものを食べたいからご飯屋さんに行きたいな」

「私もそう思ってたの!やっぱり美紅ちゃんとは気が合うんだよね~!嬉しい!」

「それは良かった。じゃあいつものところに行こうか」

「今日はデザートも食べちゃおうかな~?美紅ちゃんはどうする?」

「私はやめておこうかな……気分じゃないからね」

「そっか~……じゃあ私もやめとこーっと!」


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