彷徨う私は闇夜の花に囚われて



紅バラさんのことを想うだけで穏やかな気分でいられる。


コメント欄の冷たい言葉や乱れた言葉にも、動じずにいられる。


口元の緩みも抑えられないほどに紅バラさんのことが好き。


たぶん、私が笑っているのが画面に映ってしまっているけど、それも含めてファンには知ってもらいたい。


私がどれだけ紅バラさんに夢中なのかを。


「ファンのみなさんのことはもちろん大好きです。コメント欄を盛り上げてくれたり、配信を拡散してくれたり……それになにより、いつも楽しい時間をくれてありがとうございます。本当に感謝の気持ちでいっぱいです」


紅バラさんとのことを非難する声が多くて、最初はムッとしてしまったけれど。


でも、普段は居心地のいい空間をみんなで作ってくれる。


荒れているからこそわかる、平和な空間のありがたさ。


私の声はもう震えていない。


ほんとはファンのみんなは温かい人たちなんだって、思い出せたから。


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