彷徨う私は闇夜の花に囚われて
「紅バラさんとはお互いの住む場所が離れていて、まだ会ったこともないのは確かにそうなんですけど……でも、本当に好きで、声を聞くだけで幸せになれて。私たちなりに真剣に付き合っているつもりです。なので、そっとしてもらえるか、温かく見守っていただけると嬉しいです」
深々と、長く。頭を下げる私。
私の思いは無事に伝わった……?
包み隠さず本音を晒してもなお、許してもらえなかったら次はどうしたらいい……?
剥き出しのフローリングを見つめながら、不安がぐるぐると渦巻く。
だけど、いつまでも逃げてばかりじゃいられない。
ゆっくりと顔を上げて、ものすごい勢いで流れていくコメントたちを見つめた。
『8888888888』
『本気なのが伝わってきた!いいね!』
『ましろちゃん、遅くなったけどおめでとう!幸せになってね!』
『純愛、普通に推せるわ』
『悪質なコメントにキレないで丁寧な口調なの、高校生とは思えない……凄いな。見習いたい!』