彷徨う私は闇夜の花に囚われて
……でもでも、パンジーさん=紅バラさんだという可能性が高いなら、すみれちゃんが望んでいるとおりにこの目で確かめるべきなのかもしれない。
私は紅バラさんの彼女だから。
「どうしよう……」
それぞれの天秤の皿が交互に浮き沈みを繰り返す。
保身に走って現実から目を背けるか、責任を持って現実と向き合うか。
元から優柔不断で二者択一を決めきれない私。
こんな自分が嫌で……でもそんな私を丸ごと愛してくれる紅バラさん。
毎日元気を貰えて、穏やかな気持ちでいられて、幸せ。
人間、ちょっとくらいマイナスな一面がある方がこっちも気負わずに一緒にいられるし、長く続くってどこかで聞いたことがある。
プラスの面が多い紅バラさんのことだもの。
もしも、紅バラさんの闇がかなり深かったとしても、私は紅バラさんを好きなままでいられると思う。
私だって紅バラさんの全部を受け止められる。丸ごと愛せる。
……なのに、私はなかなかボタンを押せない。