彷徨う私は闇夜の花に囚われて
潰すって、なに……。
また、私の知らないところでこっそり悪いことをしようとしているの……?
嫌だ。
嫌だ嫌だ。
怖い紅バラさんは嫌だ……!!
「文房具一つで幸せになれるの、ましろらしくて好きだな。凄く可愛い」
『新しいペンを買ってテンション上がってたのが可愛すぎる……』
紅バラさんもパンジーさんも反応しているだいぶ前の私の呟き。
『一目惚れした文房具を衝動買いしてしまったのですが、学校で使ってみるととても使いやすくて最高でした○』
ノートをとるときに使う色ペンを探していたとき、細めでノック式のものを見つけた。
サンプルを手に取ってみると、軽くて私の手にも馴染んだから即買いしてしまったんだ。
私はただ嬉しくて呟いただけなのに、それのどこが可愛いの……?
そんなに前の呟きを眺めてなにが楽しいの……?
もう、よくわからないよ……。
「ねぇ、ましろ……控えめな寝息も、俺を疑わない純粋な性格も。全部可愛くて仕方がない。俺はあと何回ましろに可愛いって言っちゃうんだろうね?」