彷徨う私は闇夜の花に囚われて
切れるものと切れないもの
高校生になって二度目の冬。
私の近くには誰もいない。孤独なせいで余計に寒さを感じる。
紅バラさんと別れてからの日々は圧を感じることはなくなったけれど、楽しいと思わせてくれるものもなくなってしまった。
紅バラさんの次に仲の良かったツバキくんとは、配信と紅バラさんとの通話を行き来しているうちに疎遠になっていて。
紅バラさんと別れたからまた仲良くしましょうなんて虫が良すぎるから、全然連絡を取っていない。
配信では、コメント欄に登場しない紅バラさんに気づいた男性ファンの押しが強くなり……。
『もう顔出し配信はしないの?それ待ちなんだけど』
『紅バラがいないってことは別れたってことだよね。フリーなら俺と会えるじゃん!』
『オフ会するのも楽しそう。ぜひ企画してください!』
……と、コメント欄が勝手に盛り上がっていく。
女性ファンが私をかばってくれるけど、大して効果はなく。
現実世界で会いたい側の人たちのコメントに埋もれていった。