彷徨う私は闇夜の花に囚われて
4.花に囚われる
変わった樹くん
「眠い……」
すみれちゃんから画像が送られてきてから、私は深刻な睡眠不足に苦しめられていた。
夜に決まって私の中に入り込んでくる悪夢。
眠るのが怖くて、眠れたとしても怖くて。
人間、眠れないと食欲も湧かないんだって初めて知った。
食べても1食。調子が良くて2食の生活を送っている。
不健康な生活のせいで私の顔はとても女子高生には見えず。
青白い顔に黒々としたクマ。瘦せこけた頬。
でも、誰も私に救いの手を伸ばしてはくれない。
家で毎日顔を合わせる家族でさえも。
廊下ですれ違う生徒たちはぎょっと目を見張るだけだった。
「保健室の先生ならなんとかしてくれるかな……」
悩みとかはさすがに話せないけれど。
夢を見ずに眠れる方法とか知っているかもしれない。
お昼ご飯も食べずに、ふらふらと。
ぼーっとする頭でなんとか目指した。
そして、同じ建物内にあるのに5分以上の時間をかけて着いた保健室。