彷徨う私は闇夜の花に囚われて
目に飛び込んできたのは、がっつりとした肉系からヘルシーなサラダ、心まで癒してくれそうなスイーツの彩り豊かな写真たちで。
胃が万全の状態じゃないことが悔やまれた。
ファミレスって、メニューの種類が豊富で幅広い。
オシャレなカフェだと綺麗で写真映えするものばかりで、おかゆなんてあるはずもなくて。
樹くんは私のことを考えて、ここに連れてきたんだろうな……。
迷惑をかけてばかりの申し訳なさと、気遣ってくれることへの感謝で胸がいっぱいになった。
「はい。これ好きでしょ?」
「うん。ありがとう」
樹くんが目の前に差し出してくれたのはオレンジジュース。
私がメニューを見つめている間に注いできてくれたみたい。
氷が入っていないところを見るに、樹くんは私が思っていたよりも私のことを見てくれていたし、覚えていたのがよくわかった。
ごくごくごくっ。
気恥ずかしくなってコップを傾ける。
氷のないジュースが違和感なく舌の上を滑っていく。