彷徨う私は闇夜の花に囚われて
「そんなはずないよ……だってパンジーさんのアカウントを見せてきたのはすみれちゃんだよ?私に対する呟きをこそこそやってたのに、それを突然、私に教える必要がどこにあるの?」
パンジーさんは私に対する呟きを隠したい。
すみれちゃんは私に呟きの内容を見せる。
二人が同一人物だとしたら行動がちぐはぐでおかしいでしょ……?
だから、すみれちゃんにパンジーさんのアカウントを見せてもらったときから、そんな可能性は1%も生まれない。
そう、思っていたけど。
「紅バラと別れさせるため。それが一番妥当な理由」
「あ……」
最も簡潔で明瞭な理由に、私は反論ができない。
すみれちゃんが私への想いを打ち明けたあの日。
『これ、紅バラさんのだよ!』
嬉々として見せてきたこと。
『……ね?ヤバくない?これ絶対あの人のやつだって!こんな真っ黒なアカウントを持ってるんだよ?今すぐ別れるべきだってば!!』
顔を引きつらせた私に捲し立てて……
『美紅ちゃん、紅バラさんとは別れよう?ね?』
……満面の笑みで強く別れを勧めてきたこと。