彷徨う私は闇夜の花に囚われて
『別れない、確証がない』と言う私に、
『そ、れは、そうだけど……でも!』
食い下がってきたこと。
次々と、鮮明に思い出されるすみれちゃんの無理やりな言葉たち。
「自分のアカウントを紅バラのものだと思い込ませることで、二人の間に亀裂を入れたかったんだ。実際、美紅は紅バラとパンジーを結び付けてたし」
「そうかもしれない……」
すみれちゃんが私たちの仲を引き裂こうと必死だったことを考えると“見られたくなかった呟きを見せることにした”のも納得がいってしまう。
あとに送られてきた2回のメッセージだって、私が紅バラさんを嫌いになるように仕向けられたものだったし……。
私の予想の根本を覆されてぐうの音も出ない。
私が樹くんの思考に追いついたのを確認して、樹くんは続きを唱え始めた。
「草野はましろをフォローしてるって言ってたんでしょ。美紅は女性だとわかるアカウントとは繋がりを切っていなかった。美紅がパンジーを切ったとしても草野のメインのアカウントの方でましろと繋がったままだから、鍵をかけても見られて当然」