彷徨う私は闇夜の花に囚われて
私は自分が買ったものがペンだって、当たり前に知ってたから違和感に気づけなかったけど。
言われてみたら私の呟きには“ペン”だと確信を持てる部分はどこにもなくて。
私が“学校でペンを使っているところを見た人”にしか文房具の種類はわからない。
それに、すみれちゃんが学校に来なくなったのは5月になってからのことだから、時期的にも矛盾点がなくて……。
……こんなの、決定的だ。
ほんとに、パンジーさん=すみれちゃんなんだ。
長い間、一番近くにいたのに。
いい思い出ばかりを積み重ねて、絆を育んできたつもりだった。
それが……ここまで壊れちゃった。
私が想いを返せなかったから。
私の幸せを喜んでくれないすみれちゃんを拒絶したから。
最初に酷いことをしたのは私の方なのかもしれない。だけど……!
私を騙して、恐怖に陥れて。
知らない顔をしてメッセージを送ってくる。
どうして。どうしてこんなことができるの……?
どうやったら、こんな裏切りができるの……!
「はっ、はっ……はぁっ」
息が、くるしい。胸がいたい。
うまく呼吸が、できない。