彷徨う私は闇夜の花に囚われて
……ほんとに今更過ぎて気が抜ける。
でも、美紅を不安にさせてしまうくらい言葉にしなかった昔の俺が悪い。
愛しきれなかった俺が悪いんだ。
1回目は自分の気持ちを隠し過ぎて。
2回目は自分の気持ちを出し過ぎて。
極端にしかできずに、振られまくってるから。
……今度は失敗しないように気をつけないと。
「ずっと好きだった。今も好き。これからも好き」
「……好きって言いすぎだよ」
「うん。しばらく言わない」
「それは嫌かも……」
しゅんと、ただでさえ小さい身体を縮こまらせて落ち込む美紅。
滅茶苦茶に甘やかしたい欲をぎゅうぎゅうに下の方へ押し込んで、足でダンダンッと踏みつけて、そこへどっかりと腰を下ろす。
数秒間、頭の中でイメージすることで感情を抑え、理性を保った。
「なんか辛そうだけど……調子悪い?」
いいえ、本能を押し殺しているだけです。
強いて言うなら、美紅が可愛すぎて辛い。
……と、言えるわけもない俺は、口を閉ざしたまま首を横に振る。