彷徨う私は闇夜の花に囚われて
素朴な疑問を抱きながら、興味本位でプロフィールを確認する。
真っ先に目に入ったのはそのフォロワー数の多さで。
「せ、せんにんを超えてる……」
どうしてこんな凄そうな人が私のことをフォローしてくれたのかと思ったけども。
プロフィール欄には一言だけ、私と同じ音楽ユニットが好きだということが書かれていた。
なるほど。同志を見つけてはその人をフォローしているということか。
仲間同士で好きなことについて話して楽しく盛り上がる。
このアプリはそういった使い方もする……というかむしろそっちの方がメインだって聞いた。
気になる人をフォローしてお友達になってたまにお話しするのが普通なんだって。
……だったら、フォローを返さないとマナー違反なのかもしれない。
まだネットについてよくわかっていない私は、
「よろしく、お願いします」
なんの防具も持たないまま、新しい世界へと足を踏み入れてしまったのだった。