彷徨う私は闇夜の花に囚われて


怒って声量は大きくなるも、言葉は乱れないのがツバキくんのいいところ。


声変わりしていないのか、女の子だと言われても信じられるくらいには声が高めで可愛い。


威圧感のない穏やかな雰囲気は私の心を落ち着かせてくれて。


男の人相手になかなか警戒心を解くことができない私でも、すぐに打ち解けられたんだ。


それはツバキくんだけに限らず紅バラさんも一緒で。


『ましろは甘いんだよ』


「甘い、かぁ……」


『優しいのはましろのいいところだとは思うけど、出るところは出ておかないと自分が損するだけ。俺はましろに不幸になってほしくない』


こうして私のことを肯定しながらも、やんわりと注意をする。


紅バラさんは仲良くなった今でも声を出してくれない。


私が見られるのは画面に浮かぶ文字だけ。


それなのに、無機質な文字で作られる言葉たちに心配の色が濃く浮かび上がっているから。


反省しながらも、零れ出そうになる笑みを必死に抑えるの。


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