彷徨う私は闇夜の花に囚われて
……わかったけど、私の心は晴れない。
「いろんな人がいるんだね……」
ずぶずぶと、心が暗いところに沈んでいく。
思考が悪い方向へと引きずり込まれていく。
なんて悲しい世界なんだろう。
嫌いなら見なければいい。離れればいい。
たったそれだけのことなのに……わざわざ悪意を放って相手を傷つけ、自分の心を軽くさせる。
そういう人は少なくないんだと。これから先も私は傷つけられるんだと。
住み始めた世界の淀んだ部分が見え、胸がじくりと痛んだ。
ドシンと大きな不安が真ん中に重く腰を下ろした。
でも、私が気に入った世界はやっぱりあったかくて。
『そう、いろんな人がいる。だから案外、陰で言われてるのは悪口だけじゃないかもしれない。恥ずかしがり屋がましろに愛の言葉を送ってる可能性だってあるし、そんなに落ち込まなくていい』
あからさまに気を落としていた私に、紅バラさんが励ましの言葉を送ってくれる。