彷徨う私は闇夜の花に囚われて
「みなさんいつもありがとうございます。今日はそうだな……バイトであったハプニングのことを話そうかな。愚痴とか混じっちゃうかもしれないけど……みなさん、聞いてくれますか?」
『もちろん。大歓迎だよ』
『ましろちゃんの話なら何でも聞くから!』
『高校生でバイトをやってるの偉いね。頭を撫でてあげたい』
ゆっくりと流れていく、いくつかのコメント。
……最後のコメントみたいな気持ち悪いものもたまに来るけど。
基本的には私にとって楽しいことばかりの配信。
雑談目的の配信を始めたのは2か月くらい前のこと。
大好きな音楽ユニットの情報を眺めているだけだったアカウントに初めてのフォローが来てからは、たった一人のフォロワーさんのためになんでもないことを呟くようにした。
つまらないアカウントのままだと申し訳ないと思ったから。
グッズの情報が出たら喜びと悩みを文字におこして、ライブの情報が出たら感謝と興奮を発信した。
すると、一人だったフォロワーがだんだん増えていき、趣味が同じ仲間が増え、“独り言”に対する反応ももらえるようになった。