彷徨う私は闇夜の花に囚われて
お母さんが私を視界の中に入れてくれるのは学校の成績を見せるときくらいで。
そのときも決して優しい眼差しは向けられず、降ってくるのは侮蔑や鋭さを含んだものばかり。
『努力をしていて、この結果?』
『なにその顔。まさかこの程度で満足していたの?ありえない』
『愛莉はなにもしなくても上位に行けるのに……はぁ』
ため息までつかせてしまう自分の出来の悪さにやるせなさが募っていった。
自分で言うのもなんだけど、私はそこそこ勉強ができる方。
それなのにお母さんが私を嫌うのは、私が努力をしているのに中途半端な結果しか残せないから。
学年一桁とか90点台とか、そんなものに価値はなくて。
努力をしているのであれば学年一位、満点。それが当然の結果。
できない私は愛す対象じゃない。
私と妹の違いは自主的に勉強をしているかそうじゃないかってところで。
お母さんは大抵のことをそつなくこなしてしまう愛莉が可愛くて仕方ないらしい。