彷徨う私は闇夜の花に囚われて
愛莉もどういう受け答えや反応をすれば周りから愛されるかよくわかっているし、甘えるのも上手。
お父さんも素直に甘えてくれる妹の方が好きみたい。
出張したときには愛莉のためにと、お土産を抱えて帰ってくるからね。
可愛くて、羨ましくて、妬ましい。
私だってそのくらいできるのにって。
ううん、私の方が絶対的に上なのにって。
妹を見下して、憎んで、両親の愛を欲しがる……私はなんて姉らしくなく、子どもっぽいんだろう。
「……はぁ」
私の口から漏れ出た微かな音を二人が拾ったのかはわからない。
ただ、それにも反応はなく、私は透明人間みたいだなって。
前々から思っていたことを改めて感じた。
だから、私は今日も。
私の努力を、私の存在を。認めてくれる人たちのところへ飛び込むの。
◇ ◇ ◇
「みなさんこんばんは。今日はもう始めちゃいます」
夜8時。夜ご飯を食べずにお風呂と歯磨きを済ませてこの時間。
休み明け初日は課題がないのと、気分的にも勉強に身が入る気がしなくて早めに配信をやることにした。