彷徨う私は闇夜の花に囚われて
移動教室もご飯のときも。
私を置いて先に行ってしまうすみれちゃんの後ろ姿が視界に入って、どうしようもなく寂しくなる。
今までの学校生活が楽しかったのはすみれちゃんが隣にいてくれたからで、今となっては教室に行く意味もわからない。
学校に行かなかったら一生仲直りできなくなるかもしれなくて、それも嫌だからなんとか頑張って毎日通っている。
『ましろはなにに怯えてるの?』
沈黙した私へ紅バラさんは空気を変えるように問いかけた。
じめじめとした思考がクリアになり、紅バラさんの質問の答えを求め出す。
『なにかを怖がっているから、自分の好きなように動けないんでしょ?』
「……そうかもしれないです」
しばらく考えて答えに辿り着いた私は小さく首を縦に振った。
大好きなすみれちゃんと仲直りしたい。
一緒にご飯を食べて、なんでもない話をして、どこかへ遊びに行く。
前と同じようにまた二人で楽しい時間を過ごしたい。