彷徨う私は闇夜の花に囚われて
3.花に乱される

大好きな友達




紅バラさんと付き合い始めてから早一週間。


付き合った日の翌日に、あとは勇気を出すだけという紅バラさんの言葉をお守りにすみれちゃんに話しかけてみると、拍子抜けするほどあっさりと仲直りができて。


「美紅ちゃん!久しぶりのデートはどこがいい?」


と、今も仲良く寄り道する場所を選んでいる最中。


紅バラさんの読み通り、すみれちゃんも私に嫌われているんじゃないかって不安で目を合わせるのも怖かったらしい。


だから、私が先に動いたのがありがたく、これ以上ない喜びみたいで……


「んふふ。私は美紅ちゃんと一緒ならどこでもいいからね!地獄の果てまでついていくよ!!」
「地獄なんて行かないよ……」
「例えの話だよ〜」


……喧嘩する前以上にくっつかれるようになった。


歩くときは腕を組まれ、立ち止まっているときは抱き着かれる。


これが冬だったらあったかくていいんだけど、そろそろ衣替えの季節だし肌がうっすらと汗ばむ。


身動きが取りにくいのも難点なんだよね……。ただ、


「美紅ちゃん大好き!」


満面の笑みでそんなことを言われたら引き剝がせなくなる。


動けなくなるくらいいいかって、私も笑みを零しちゃうの。



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