彷徨う私は闇夜の花に囚われて
苦しんで、苦しんで、ようやく手に入れたもの。
私の幸せがダメなものだって言うの?どうして?
すみれちゃんだって私との時間以外に楽しいことはいっぱいあるのに……?
家族仲も、仲のいい多くの友達も。
私にないものばかりを持っているすみれちゃん。
それを妬んだことはあっても口や態度には出さなかったのに、すみれちゃんは私を縛ろうとするの……?
「ご、ごめん。そういうつもりじゃ……」
「もういいよ」
「えっ……」
「私、帰るね。すみれちゃんはゆっくりしていって。お金はここに置いていくから」
「美紅ちゃん、待ってよ!」
目に光を取り戻し、私を引き留めようとするすみれちゃん。
私はその手をさりげなく躱して曖昧な微笑みを向けた。
……またどうしたらいいのかわからなくなっちゃった。
樹くんのときみたいに、どうしたいのかもわからない。
大好きだからこそ祝ってくれなかったのが寂しくて。
大好きだからこそ嫌いになりたくなくて。