春の風に君をのせて
「そういえばまだイケメンくんの名前確認してなかった」
もう一度座席表に目を戻した途端
〔キーンコーンカーンコーン〕
「やばっ!チャイムなっちゃった!早く座らないと!」
チャイムと同時に先生も入ってきて結局名前は確認できないまま座席に座った。
チャイムを聞いて集まっていた女の子たちも自分の席に座り出した
ついにお顔が見える!!!
人が空いて席に座った私は気づかれないようにちらっと隣に目を移した。
「えっ‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥どうして?‥‥」
彼の顔を見た瞬間驚きで目をそらすことが出来ない。
私の驚きの声は思っていたより大きいみたいで彼が私の方に目を向ける。
「っ!‥‥‥‥」
彼も私を見るや否や驚いた顔をして小さな叫び声をあげている。
固まって動けなくなっている私とは裏腹に、彼は立ち上がって私の腕を少し強引に掴んで歩き出す。
「おい!龍島!姫乃!どこに行くんだ!」
先生は大きな声を出して私たちの名前を呼んで引き止めているけど彼はそのまま歩き続けて2人で教室を出た。