春の風に君をのせて


















どこに向かっているかは分からないけど、昔同様に安心するその背中を見つめながら必死に足を動かした。



























彼は強引に空き教室を開けると突然私のことを抱きしめてきた。






















「っ!ちょっと!いきなりどうしたの!



















‥‥‥‥瀬志っ‥‥‥」


























昔よりもさらに身長は伸びていて、私の体は彼の腕の中にすっぽり埋まってしまった‥



















綺麗な黒髪にキリッとした目、高い鼻に薄めの口。さらに色白でモデル級にイケメンな男の子が私を無言で抱きしめている。






















普段の私だったらきっと騒ぎまくるだろうな‥‥
























でも今は驚きと戸惑いの方が大きくて、ただ瀬志の温もりを受け入れることしかできない。























彼は私の幼なじみである龍島瀬志。


















有名な龍島グループの唯一の跡取りで根っからのお金持ち。















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