冷徹ドクターは懐妊令嬢に最愛を貫く
桃子が明るい笑顔でフォローする。
「私たちはなんにも気を使ったりしていないよ。いつもそう言ってるでしょ」
「うん、ありがとう。ふたりとも大好き」
はにかむような笑顔で言うと、蝶子は椅子から立ちあがる。
「じゃあ、今日は先に帰るね。ふたりで飲みにいくのはいいけど、飲みすぎないでよ」
「オッケー」
ふたりは手を振り、蝶子を見送った。ぱたりと扉が閉まったあとで、桃子は唇をとがらせた。
「今日は継母が在宅なのね」
「だろうね」
真琴もふぅと息を吐き、肩をすくめる。蝶子は父親と父親の後妻である継母、継母の連れ子である妹と暮らしている。育ちのいい蝶子は決して継母を悪く言うことはないが、真琴も桃子も彼女と蝶子の関係が良好ではないことを察していた。
「婚約者とやらがいい男で、早く蝶子をあの家から救い出してくれるといんだけど」
「まぁ、ね」
桃子の言葉に真琴も同意する。しんみりしてしまった空気を払拭するように、桃子は明るい声で言った。
「それにしてもさ、蝶子のあの、だだ漏れる色気はなんなのよ? 十二歳からモテテクを研究してる私の立場がないじゃない!」
真琴はクスクスと笑って返す。
「天然と養殖の差じゃない? 蝶子は天然ものの魔性の女だもん」
「私たちはなんにも気を使ったりしていないよ。いつもそう言ってるでしょ」
「うん、ありがとう。ふたりとも大好き」
はにかむような笑顔で言うと、蝶子は椅子から立ちあがる。
「じゃあ、今日は先に帰るね。ふたりで飲みにいくのはいいけど、飲みすぎないでよ」
「オッケー」
ふたりは手を振り、蝶子を見送った。ぱたりと扉が閉まったあとで、桃子は唇をとがらせた。
「今日は継母が在宅なのね」
「だろうね」
真琴もふぅと息を吐き、肩をすくめる。蝶子は父親と父親の後妻である継母、継母の連れ子である妹と暮らしている。育ちのいい蝶子は決して継母を悪く言うことはないが、真琴も桃子も彼女と蝶子の関係が良好ではないことを察していた。
「婚約者とやらがいい男で、早く蝶子をあの家から救い出してくれるといんだけど」
「まぁ、ね」
桃子の言葉に真琴も同意する。しんみりしてしまった空気を払拭するように、桃子は明るい声で言った。
「それにしてもさ、蝶子のあの、だだ漏れる色気はなんなのよ? 十二歳からモテテクを研究してる私の立場がないじゃない!」
真琴はクスクスと笑って返す。
「天然と養殖の差じゃない? 蝶子は天然ものの魔性の女だもん」