冷徹ドクターは懐妊令嬢に最愛を貫く
「いいんだ。俺の本意は蝶子の望みを叶えることだから」

 言いながら、晴臣は蝶子の白い首筋に甘いキスをひとつ落とす。薄紅色の唇から漏れる切ない吐息に触発されて、晴臣の手がゆっくりと動く。

「……体調は?」
「えっと、つわりは軽いほうみたいで大丈夫です」

 この場面で正直に『大丈夫』と言ってしまう彼女がかわいくて、晴臣の頬は無意識に緩む。妊婦だなんてとても信じられないほど細いお腹を優しく撫でつつ、蝶子の唇を奪う。柔らかな感触が晴臣の本能を呼び覚ます。唇を割って、舌を差し入れると存分に彼女を味わった。お腹を触っていた手は少しずつ上にあがっていき、華奢な身体に似合わない豊かさを持つ双丘をやわやわと揉みしだく。蝶子が少し抵抗するように唇を離す。

「んっ、晴臣さん」

 上気した頬と潤んだ瞳、身をよじって逃れようとする仕草でさえも、晴臣を煽り昂らせていく。晴臣は彼女を背中からぎゅっと強く抱き締め、逃がすまいとした。

「お腹の子に危険が及ぶようなことはしない。ただ、少しだけ蝶子を堪能したい」

 その言葉で蝶子の抵抗が弱まる。晴臣はにやりと笑って、手を進める。彼女のパジャマのボタンを外し、肩からするりと脱がせてしまう。黒い下着は、彼女の背中の白さをより際立たせてなんとも煽情的だ。晴臣は背中に吸いつくようなキスをしながら、下着のホックに手をかける。肩紐を落とすと、ぱさりとベッドに落ちたる。透ける素材の大人っぽい下着だ。
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