冷徹ドクターは懐妊令嬢に最愛を貫く
「こういう下着は君には珍しいな」

 下着にかぎらず洋服も、蝶子は清楚なものが好みのようで、こういったセクシーな雰囲気のものを選ぶのは珍しい。蝶子はぽっと頬を赤らめる。

「その、真琴と桃ちゃんが……晴臣さんのためには、こっちのほうが絶対いいって」

 友人にそそのかされて普段と違う下着を買ってしまう蝶子の姿を想像し、晴臣はくすりと笑みをこぼした。

「蝶子はなにを着ていても魅力的だけど……俺のためにこれを選んだと思うとゾクゾクするな」
「あ……あっ」

 隠すもののなくなった彼女の乳房に両手を添え、下から持ちあげるように触れる。つんと上向いた頂を指でつまむと、蝶子の上半身は大きくしなった。初心なのに色っぽい、彼女の反応はこれでもかというほどに晴臣を煽る。晴臣は彼女の身体をくるりと自分のほうに向けると、悪戯っぽい目でささやいた。

「たまには蝶子からキスしてほしいな」
「えぇ?」

 何度も身体を重ねているのにキスくらいで目を丸くする蝶子を心からいとおしいと思う。晴臣は彼女の右耳に唇を寄せ、低くささやく。しっかりと聞こえるほうの耳で、よく聞いてほしいからだ。

「大丈夫だ。キスも、それ以上のことも……初めてのときとは見違えるほど上手になった」

 晴臣が期待したとおりに、蝶子は羞恥で身体を震わせる。その姿がますます晴臣に火をつけるとも知らずに。

「ほら、早く」
「うぅ」

 真っ赤になった蝶子の顔がゆっくりと晴臣に近づく。晴臣はそっと目を閉じ、彼女からのご褒美を待つ。そのプレゼントは極上の甘美さで、晴臣の心を狂おしいほどにとかしていった。

「大好きです、晴臣さん」
「俺もだ。愛しているよ、蝶子」
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