冷徹ドクターは懐妊令嬢に最愛を貫く
 電話を終えた蝶子を、晴臣はややあきれた顔で見つめている。

「本当に……びっくりするくらいお人好しだな」

 なにも言わずにほほ笑む蝶子の顎をくいと引き寄せ、晴臣はささやく。

「でも、俺は蝶子のその強さに心底惚れてる」
「強い……なんて初めて言われましたけど」

 おとなしくて気弱。周囲の人間からの評価はいつもそんなところだった。困惑気味の蝶子に晴臣は破顔する。

「優しさはなによりも強い。お腹の子も君のように優しく強い子に育てよう」

 晴臣の笑顔がゆっくりと近づく。蝶子は目を閉じ、彼からの愛情たっぷりのキスを受け取る。優しく触れた唇はなによりも甘く、このぬくもりを生涯大切にするのだと蝶子は心に誓った。

(幸せにしてもらうんじゃない。私が、晴臣さんとお腹の子を幸せにしよう!)


                                         了



 


 









 

 
 

 
 
 
 

 
 


 

 

 
 
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