冷徹ドクターは懐妊令嬢に最愛を貫く
「はい! また」
はにかみながらそう答えた蝶子の背中に、大きな声が届いた。
「え~。お姉ちゃん!?」
振り返ると、そこには七緒が立っていた。今日は友達と遊びにいくと言っていたが、いつもよりずいぶんと早い帰宅だ。
「七緒ちゃん。早かったのね」
「うん。友達がイケメンを紹介してくれるって言うからはりきってたけど、全然外れだった~。つまんないから抜けてきちゃった」
「そうなの……」
蝶子は嫌な焦りを覚えていた。七緒と晴臣を会わせるべきではない、蝶子の本能がそう訴えている。だが、七緒は蝶子の肩ごしにひょいと顔を出し、彼を見つけてしまった。
「え~。この人が例の婚約者?」
蝶子は軽く肩を落としたが、すぐに気持ちを切り替えて晴臣に七緒を紹介した。よく考えてみれば、彼との婚約が順調に進めばいつかは会わせることになるのだ。
「妹の七緒です。七緒ちゃん、こちらは有島病院の有島晴臣さん」
「どうも、初めまして」
晴臣はビジネスライクにそう言っただけだったが、七緒はあんぐりと口を開けて彼を凝視している。
「う、嘘だぁ~。絶対にダサいおじさんだと思ってたのに……超かっこいいじゃん!」
「七緒ちゃんってば」
本人を前にしてあまりにも不躾な七緒に蝶子はうろたえるが、晴臣は平然としている。
はにかみながらそう答えた蝶子の背中に、大きな声が届いた。
「え~。お姉ちゃん!?」
振り返ると、そこには七緒が立っていた。今日は友達と遊びにいくと言っていたが、いつもよりずいぶんと早い帰宅だ。
「七緒ちゃん。早かったのね」
「うん。友達がイケメンを紹介してくれるって言うからはりきってたけど、全然外れだった~。つまんないから抜けてきちゃった」
「そうなの……」
蝶子は嫌な焦りを覚えていた。七緒と晴臣を会わせるべきではない、蝶子の本能がそう訴えている。だが、七緒は蝶子の肩ごしにひょいと顔を出し、彼を見つけてしまった。
「え~。この人が例の婚約者?」
蝶子は軽く肩を落としたが、すぐに気持ちを切り替えて晴臣に七緒を紹介した。よく考えてみれば、彼との婚約が順調に進めばいつかは会わせることになるのだ。
「妹の七緒です。七緒ちゃん、こちらは有島病院の有島晴臣さん」
「どうも、初めまして」
晴臣はビジネスライクにそう言っただけだったが、七緒はあんぐりと口を開けて彼を凝視している。
「う、嘘だぁ~。絶対にダサいおじさんだと思ってたのに……超かっこいいじゃん!」
「七緒ちゃんってば」
本人を前にしてあまりにも不躾な七緒に蝶子はうろたえるが、晴臣は平然としている。