冷徹ドクターは懐妊令嬢に最愛を貫く
「残念だが、君の気持ちを尊重するよ。まぁ、次の旅行に楽しみを取っておくと思えば、悪くない」
晴臣の言葉に、彼女は少し驚いたように目を見開いた。
「また、連れてきてもらえるんですか?」
「もちろん。君が望むなら、休みのたびにどこかへ出かけてもいい」
花のように美しい彼女の笑顔に、晴臣の胸は甘く疼く。そっと肩を抱き寄せ、柔らかな髪に鼻を埋めた。
少しすると、さきほどと同じ仲居が部屋に夕食を運んできた。
「綺麗! 宝石箱みたいですね」
色とりどりの食材がのった前菜の皿を見て彼女はそう言った。晴臣は軽くうなずき、箸を伸ばす。素材のシンプルな味が口のなかに広がり、しみじみと『うまい』と感じる。
「ふぅ」
思わず大きなため息を漏らしてしまった。すると、蝶子が申し訳なさそうな顔でこちらを見る。
「すみません。晴臣さんはお仕事で疲れているのに、私のために遠くまで……」
彼女のこの、なんでもネガティブかつ自分のせいだと考えてしまう癖はよくない。そうじゃないのだと、晴臣はその都度彼女に伝えることにしている。
晴臣の言葉に、彼女は少し驚いたように目を見開いた。
「また、連れてきてもらえるんですか?」
「もちろん。君が望むなら、休みのたびにどこかへ出かけてもいい」
花のように美しい彼女の笑顔に、晴臣の胸は甘く疼く。そっと肩を抱き寄せ、柔らかな髪に鼻を埋めた。
少しすると、さきほどと同じ仲居が部屋に夕食を運んできた。
「綺麗! 宝石箱みたいですね」
色とりどりの食材がのった前菜の皿を見て彼女はそう言った。晴臣は軽くうなずき、箸を伸ばす。素材のシンプルな味が口のなかに広がり、しみじみと『うまい』と感じる。
「ふぅ」
思わず大きなため息を漏らしてしまった。すると、蝶子が申し訳なさそうな顔でこちらを見る。
「すみません。晴臣さんはお仕事で疲れているのに、私のために遠くまで……」
彼女のこの、なんでもネガティブかつ自分のせいだと考えてしまう癖はよくない。そうじゃないのだと、晴臣はその都度彼女に伝えることにしている。